4コマ「ブラックホールの中は、どうなってるの?」。1コマ目みい「ブラックホールの中、のぞいてみたい!」、2コマ目ゆう「中から光が出てこられないから、外からのぞいても見えないんだ」、3コマ目みい「箱なら、開ければ中がわかるのにね」、4コマ目みい「今度はゆうで中が見えない!」
みいみい

ねえゆう、この世界せかいのブラックホールの中身なかみって、まっくらなお部屋へやなの?

ゆうゆう

おっ、そこに目をつけたんだね。じつは、中を直接ちょくせつ見た人はいないし、特異点とくいてんもまだ見た人はいないんだ

中をのぞけない「戻れないふち」

ブラックホールの中は、どうなってるの?(中をのぞけない「戻れないふち」)
ゆうゆう

ブラックホールには、事象じしょう地平線ちへいせんという境目さかいめがあるんだ

みいみい

そこにカメラを入れて、ひもで引っぱればいいの?

ゆうゆう

その内側うちがわからは、知らせる光さえ外へもどれないんだよ

みいみい

にゃんと!! ひもで引っぱれば帰れると思ったのに、カメラが「ただいま」を言えないー!

ゆうゆう

そうなんだ。地平線は、かたかべではないよ

みいみい

壁ではなくて、外へかう道がなくなる境目なんだね

ゆうゆう

一方通行のすべり台みたいに、外へ向かう道がなくなる境目なんだ

みいみい

見えないふちのこうは、外からは調しらべられないんだね

計算すると「特異点」が出てくる

ブラックホールの中は、どうなってるの?(計算すると「特異点」が出てくる)
みいみい

じゃあ、計算なら中のことを見つけられるの?

ゆうゆう

今の重力じゅうりょくの計算では、中心に特異点が出てくるんだ

みいみい

とくいな点? すごい点かと思った!

ゆうゆう

名前はているけれど、計算がとてもこま場所ばしょのことなんだ

みいみい

計算がとても困る場所なんだね。地図で考えてみたいな

ゆうゆう

地図をどんどん拡大かくだいして、紙のはしで道がけなくなる感じかんじだねえ

みいみい

あっ、小さな玉が本当にあるとまったわけじゃないんだね

ゆうゆう

そのとおり。計算が「ここから先は説明せつめいできない」と言うしるしかもしれないんだ

みいみい

答えそのものではなくて、計算の限界げんかいしめ印なんだね

小さい世界のルールも必要かもしれない

ブラックホールの中は、どうなってるの?(小さい世界のルールも必要かもしれない)
ゆうゆう

星や銀河ぎんがの重力には、今の理論りろんがとてもよく合うんだ

みいみい

大きな世界では、今のルールが役立やくだんだね

ゆうゆう

でも、ものすごく小さな世界では、量子りょうしのルールも大切になるよ

みいみい

大きいルールと小さいルール、けんかしちゃうの?

ゆうゆう

最後さいごの小さなパズルだけ、形が合わないみたいなんだ

みいみい

そのピース、ソファの下にあるかも!

ゆうゆう

ソファの下じゃなくて、博士はかせたちも宇宙うちゅうのどこかで答えをさがしているんだよ

みいみい

みいも、早くその答えを見つけたいのにー!

ゆうゆう

りょうをうまく説明する新しい理論は、まだ完成かんせいしていないんだ

みいみい

まだ完成していないなんて、ちょっぴり心配しんぱいだな…

ゆうゆう

……うん。ぼくは、みいのとなりにいるよ

中身は、周りの手がかりから考える

ブラックホールの中は、どうなってるの?(中身は、周りの手がかりから考える)
みいみい

見えないなら、博士たちは何を調べているの?

ゆうゆう

まわりを回る星や、ゆれる重力波じゅうりょくはを見ているよ

みいみい

星のうごや重力波を、手がかりにするんだね

ゆうゆう

ブラックホールのかげや、近くのガスの光も大事な手がかりなんだ

みいみい

はこって、中のおもちゃを当てるみたいだー!

ゆうゆう

考え方は少し似ているね。でも本物ほんものは振らずに、星の動きをんだ

みいみい

見えないままでも、手がかりがあるなら少し安心あんしんしたー!

ゆうゆう

観測かんそくと計算が合うか、何くらべて内側の理論をたしかめる

みいみい

「中を見た」とは言わずに、手がかりをあつめるんだね

ねこ換算

ゆうゆう

天の川のまんなかのブラックホールの境目は、直径ちょっけいおよそ2,500万kmだよ

ゆうゆう

体長50cmのねこが、およそ500おくひきならくらいの長さなんだ

みいみい

にゃんと!! ねこが地球ちきゅうよりずっと長い大行列だいぎょうれつ

ゆうゆう

中身は見えなくても、「戻れないふち」はとても大きいんだね

3ぎょうまとめ

  • 事象の地平線の内側からは、光も外へ知らせをおくれない

  • 今の計算には特異点が出るが、それは中心の正体が分かったという意味いみではない

  • 博士たちは外側の星や光を観測して、内側を説明する理論を調べている

きょうのナゾ

ブラックホールの中は、どうなってるの?(きょうのナゾ)
みいみい

特異点のわりに、本当は何があるの?

みいみい

まだ「これだ」という答えは決まっていないなぞなんだね?

ゆうゆう

うん。博士たちは今も、答えを探しているところなんだ

みいみい

小さな世界と重力をつなぐ理論も、まだ研究けんきゅう中なんだね

ゆうゆう

そうだよ。答えが見つかる日を思うと、ワクワクするね

つぎはこれ!

おとなメモ(おうちの方・先生へ)

  • 本文の「戻れないふち」は、事象の地平線を一方通行のすべり台にたとえた表現です。実際には物質でできた壁ではなく、外向きの光も外部へ到達できない因果構造の境界です。

  • 「特異点」は、古典的な一般相対性理論のもとで測地線不完備性が現れることを、子ども向けに説明したものです。無限の密度をもつ小球が観測済みという意味ではありません。

  • 量子重力、ファイアウォール、正則ブラックホールなどは研究中の仮説です。強重力と量子論を統一する、検証済みの理論はまだありません。

  • 本文の「箱を振る」は外側から性質を推定する比喩です。実際には星の軌道、重力波、電磁波観測などと、理論計算を慎重に比較します。

  • ねこ換算の根拠: いて座A*の質量を太陽の約430万倍とし、非回転のシュヴァルツシルト半径を概算すると、直径は約2,500万kmです。体長50cmのねこで割ると約500億匹です。回転を含む実際の詳細とは異なります。

参考にした資料

(最終更新日: 2026-08-11)