4コマ「金星が「地獄みたいな星」ってほんと?」。1コマ目みい「金星へ遠足だー!」、2コマ目ゆう「表面は約460度。水筒だけでは行けないよ」、3コマ目みい「じゃあ、日かげで休む!」、4コマ目ゆう「日かげでも熱いよ」、みい「遠足先、冷蔵庫の前に変更!」
みいみい

ねえゆう、金星って「地獄みたいな星」なの?

ゆうゆう

そう呼ばれることもあるね。でもこわがらなくてだいじょうぶだよ

みいみい

え、ほんとに地獄みたいに熱いの?

ゆうゆう

じゃあ、どれくらい熱くて重いのか順番に見ていこうか

明るくてきれい。でも雲の下は別世界

金星が「地獄みたいな星」ってほんと?(明るくてきれい。でも雲の下は別世界)
ゆうゆう

金星は、夜空でいちばん明るく光る天体てんたいのひとつなんだよ

みいみい

にゃんと!! すごくきれいだね!

みいみい

きらきらのひみつ、聞きたいな

ゆうゆう

大きさや重さおもさ地球ちきゅうとよくにてて、「地球のきょうだい星」って呼ばれることもあるんだ

みいみい

ふわふわの雲の上で遊んでおひるねしたいな!

ゆうゆう

できたらすてきだよね。ゆっくりおひるねできそうだ。でもあの白い雲の下は、まったくちがう世界なんだよ

みいみい

え、きょうだいなのにちがうの?

ゆうゆう

雲の下はものすごく熱くて、空気もぎゅうぎゅうにこいんだ

みいみい

こ、こわい……それで地獄って言われるの?

ゆうゆう

うん。でもどれくらいか、順番に見ていこう

太陽に近いだけじゃない。熱をにがさない大気

金星が「地獄みたいな星」ってほんと?(太陽に近いだけじゃない。熱をにがさない大気)
みいみい

金星って、太陽に近いから熱いんでしょ?

ゆうゆう

いい質問だね。でもそれだけじゃないんだ。金星の表面ひょうめん温度おんどは、なんと460℃くらいなんだよ

みいみい

にゃんと!! 太陽にもっと近い水星すいせいより熱いんだね!

ゆうゆう

そう思うよね。金星は二酸化炭素にさんかたんそっていう気体の分厚い大気に包まれてるんだ

みいみい

二酸化炭素が熱をにがさないんだね

ゆうゆう

そう。分厚い布団ふとんにくるまると熱がにげないよね。金星はまさにそれ

みいみい

じゃあ金星の布団、みいがはがしたらすずしくなる?

ゆうゆう

はがせたらね。でもとっても分厚いんだ。このしくみを温室効果おんしつこうかっていうんだ

みいみい

あ、地球にもあるって聞いたことある!

ゆうゆう

そう。地球にも少しあるよ。でも金星はけた違いに強いんだ

空気の力は約90倍、雲は硫酸

金星が「地獄みたいな星」ってほんと?(空気の力は約90倍、雲は硫酸)
ゆうゆう

金星の空気の重さがのしかかる力は、地球の約90倍もあるんだ

みいみい

90倍って、どれくらい重いの?

ゆうゆう

海の深さふかさ900メートルくらいのところにいるのと、同じくらいの力だよ

みいみい

にゃんと!! 空気なのに海の底みたい!

ゆうゆう

それから金星の雲は水じゃなくて硫酸っていう強い液体えきたいでできているんだ

みいみい

りゅ、りゅうさん!? さわったらとけちゃうの? みいのおひげ、しゅわっと消えちゃう!?

みいみい

やだよ! そんな雲の下なんて行きたくない!

ゆうゆう

……うん、こわいよね

みいみい

みい、ちょっとさみしくなってきた

ゆうゆう

でもだいじょうぶだよ。その雲は地表ちひょうよりずっと上にあって、下におりる途中で蒸発じょうはつしてしまうんだ

みいみい

ほっ、よかった。雨みたいに落ちてこないんだね

近づけなくても、探査機なら調べられる

金星が「地獄みたいな星」ってほんと?(近づけなくても、探査機なら調べられる)
みいみい

そんなに熱くて重いなら、だれも調べられないの?

ゆうゆう

人は近づけないけど、探査機ならできるんだよ

ゆうゆう

そう。日本の「あかつき」は金星の雲の動きをずっと見てきた探査機なんだ

みいみい

あかつき、かっこいい! 雲がどう動くのか見てるんだね!

ゆうゆう

うん。そしてむかし、ロシアの探査機「ベネラ」が地表に着陸ちゃくりくしたんだ

みいみい

うん、おりたんだね!

ゆうゆう

写真しゃしんをとることにも成功せいこうしたんだよ

みいみい

にゃんと!! あんなに熱いのに写真とれたの!?

ゆうゆう

ながくは動けなかったけどね。でも少しずつ金星のことがわかってきたんだ

みいみい

機械だから、熱くてもがんばれたんだね!

みいみい

すごいね、ベネラ!

ねこ換算

金星が「地獄みたいな星」ってほんと?(ねこ換算)
ゆうゆう

金星の空気の力を、身近みぢかなものにたとえてみよう

みいみい

うん、ねこで教えて!

ゆうゆう

1へん1センチメートルのかべに、外から金星の空気がおす力は、ねこ約24匹ぶんの体重とおなじくらいなんだ

みいみい

にゃんと!! そんな小さいかべにみいが24匹!?

みいみい

ぎゅうぎゅうすぎて、ずっこけちゃうよ!

ゆうゆう

そう。ぎゅうぎゅうに空気がこいってことだよ

3ぎょうまとめ

  • 金星は明るくきれいだけど、厚い雲の下は460℃・約90気圧きあつという別世界

  • 熱いのは太陽に近いからだけでなく、二酸化炭素の大気が熱をにがさないから

  • 人は近づけなくても、探査機の観測かんそくで少しずつ金星のことがわかってきている

きょうのナゾ

みいみい

ねえ、金星にもむかしは海があったの?

みいみい

雲の下が海だったら、泳げたのかな?

ゆうゆう

そこがナゾなんだ。むかし液体の水があったかもしれないと考えている博士もいるよ

ゆうゆう

いつ、どうして今のすがたになったのかは、まだわかっていないんだ

みいみい

それって、まだ誰にもわからないなぞなの?

ゆうゆう

うん。博士たちも今いっしょうけんめい調べているところだよ

ゆうゆう

答えが見つかったら、みいにいちばんに教えるね

つぎはこれ!

おとなメモ(おうちの方・先生へ)

  • 「分厚い布団にくるまるとあったかいまま出られない」は温室効果(大気による赤外線の吸収・再放射)の単純化です。金星は二酸化炭素を主成分とする厚い大気により温室効果が非常に強く働いていますが、現在の地球と同一視しないようご注意ください。

  • 金星表面の温度は約460〜470℃、気圧は地球の約90〜93倍とされています(NASA, JAXA資料に基づく)。

  • 硫酸の雲は金星の上層大気に存在しますが、地表が硫酸の海や雨に覆われているわけではありません。雲を構成する液滴は下降する途中で蒸発すると考えられています。

  • 「むかし海があったかもしれない」は、気候モデルに基づく仮説の一つであり、確定した事実ではありません。

  • 本文の「ロシアの探査機「ベネラ」」は、1975〜1982年に地表へ着陸して写真を撮影した、当時のソビエト連邦のベネラ計画(ベネラ9号・10号・13号・14号)を指します(「ベネラ」はロシア語で「金星」の意味)。アメリカの探査機も1978年に地表へ着陸しましたが(パイオニア・ビーナス)、カメラは搭載されておらず、地表の写真は撮影していません。

  • ねこ換算の根拠: 金星表面の気圧は地球の約90〜93倍(約9.0〜9.3MPa。NASA: 約93倍、JAXA: 約92気圧)。1cm四方(1cm²=0.0001m²)にかかる力は約920N(内側から地球の1気圧ぶん約10Nが押し返すため、差し引き約910N)。ねこ1匹の体重を約4kgとすると、重力による力は約39.2N/匹。約910〜920N ÷ 約39.2N ≈ 約23〜24匹ぶん(記事内では「約24匹ぶん」に丸めて表記)。

参考にした資料

(最終更新日: 2026-08-12)