
ねえゆう、宇宙にクモの巣があるの? 大きなクモもいる?

クモはいないよ。でも銀河をたくさん地図にすると、巣みたいな形が見えるんだ
銀河をたくさん並べると、宇宙はクモの巣みたい


星も銀河も、ばらばらに浮かんでいると思ってた!

ひとつずつなら点に見えるね。でも、とても多くの銀河を立体の地図にすると、細長い集まりが見えるんだ

その、つながった場所をフィラメントというよ。宇宙の糸みたいに見える場所、という意味なんだ

えーっ、クモが糸をはった、ほんものの巣じゃないの!?

ほんものの巣に見えるよね。そう思うのもわかるよ

じゃあ、糸をたどれば宇宙のまんなかに行けるの?

宇宙にまんなかのクモはいないよ。クモの巣は、形のたとえなんだ

フィラメントが交わる太い場所には、銀河がたくさん集まる。そこを銀河団と呼ぶよ

銀河のお友だちが、ぎゅっと集まる交差点だね!

そう。反対に、銀河がとても少ない大きなすき間もあるんだ
見えないダークマターが、銀河の道しるべ?


にゃんで銀河は、糸みたいな場所に集まるの?

重力が、少しずつ物を引き寄せたから、と考えられているんだ

生まれたての宇宙には、少しだけ物の多い所と少ない所があった。その小さなちがいが、長い時間で大きく育ったんだよ

長い時間をかけて、見えない足場ができたんだね!

特に、見えないダークマターが先に集まり、重力の足場になったと考えられているんだ

見えない足場なら、おやつを置ける? こっそり置きたい!

そっかあ。見えないなら、そう思うよねえ

じゃあ、おやつをたくさん並べようよ!

おやつを置くたなではないねえ。見える銀河は、見えにくい型に流したゼリーみたいに、足場にそって集まるんだ

型が見えないのに、ゼリーの形からわかるんだ!

そのとおり。ダークマターの正体は、まだわかっていないよ
ぎゅうぎゅうの交差点と、がらんとしたボイド


フィラメントが集まる交差点には、何百、何千もの銀河が集まることがあるよ

ぎゅうぎゅうだ! ねこ集会より、ずっと大きい!

そして網目のすき間には、銀河が少ないボイドがある。宇宙の大きな空き部屋みたいな場所だね

ひろすぎて、ちょっとこわいかも……。ボイドには、本当に何もないの?

うん、ひろすぎるとふあんになるよねえ。ぼくがそばにいるよ

よかった! ボイドにも、少ない銀河やガスはあるんだね

そう。でも、まわりより、ずっと少ないんだ

だれもいない大きな遊び場だー! 走っていこう!

広すぎて、おもちゃを取りに帰るだけで、お昼寝の時間になりそうだねえ。ふわ……

ゆう! ねないで!

宇宙は、全部がつまった所と、完全な空っぽに分かれるのではなく、濃さがだんだん変わる地図なんだよ
どうやって、見えないほど大きな網を見つけたの?


でも、宇宙の地図って、正面から見ただけじゃ平らだよね?

そこまで考えたね。博士たちは、空のどこにあるかだけでなく、どれくらい遠いかも調べるんだ

銀河の光は、宇宙が広がるにつれて赤いほうへずれる。その赤方偏移をつかって、距離のおよそを考えるよ

赤くずれた光で、奥行きまでわかるんだ!

近い銀河では、銀河自身の動きもまじるから、ぴったりのものさしではないんだ

それでも、たくさんの銀河を比べると、立体の網目がはっきりしてくるよ

点をぜんぶつないだら、ねこじゃらしの道になるかも!

観測する点は、とてもたくさんある。みいのしっぽでは足りないねえ
ねこ換算

幅がおよそ1億光年のボイドを、体長60センチのぼくで横に埋めるとするとするね

何匹のゆうが、いるの?

およそ1.6×10^24匹。1のあとに0が24個も続くほどだよ

にゃんと!! 数える前に、お昼寝が終わっちゃう!

うん。空っぽに見える場所も、宇宙では、とてつもなく大きいんだ
3ぎょうまとめ
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銀河を立体の地図にすると、フィラメント、銀河団、ボイドの網目の形が見える
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見えないダークマターをふくむ重力の足場にそって、ガスや銀河が集まったと考えられている
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赤方偏移をつかって銀河までのおよその距離を調べ、宇宙の大きな地図を作っている
きょうのナゾ

フィラメントの中には、銀河と銀河のあいだにも何かあるの?

うすいガスがあるはずだけど、見つけにくいんだ。まだ見つかっていない普通の物質も、そこにあるかもしれないよ

博士たちも、まだ答えを探しているんだ。ワクワクするね
つぎはこれ!
おとなメモ(おうちの方・先生へ)
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「宇宙のクモの巣」は、銀河分布を可視化した際の形の比喩です。フィラメントは物理的な糸ではなく、暗黒物質・ガス・銀河を含む物質密度の相対的に高い三次元領域で、数百万〜数億光年に及ぶことがあります。
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宇宙の大規模構造は、フィラメント、ノード(銀河団など)、シート/ウォール、ボイドが連なる連続的な密度分布です。分類の境界や検出手法には複数の定義があります。
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「ダークマターが足場をつくる」は、冷たいダークマターを含む標準宇宙論の構造形成を子供向けに単純化した表現です。重力不安定性のほか、バリオンガスの運動、銀河形成時のフィードバックも関わります。
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赤方偏移は宇宙膨張を用いた距離の推定に役立ちますが、近傍では銀河固有の運動によるずれがあり、観測地図には選択効果もあります。
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ねこ換算の根拠: 1光年を約9.46×10^15 m、ゆうの体長を0.60 mとすると、1億光年 ÷ 0.60 m ≒ 1.6×10^24匹です。ボイドの大きさには幅があり、約1億光年はその一例です。
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「見つかっていない普通の物質」はダークマターではなく、主に高温・低密度で観測しにくいバリオンの一部を指します。こうしたガスは検出が難しく、現在も観測研究が進められています。
参考にした資料
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NASA — Large Scale Structures: https://science.nasa.gov/universe/galaxies/large-scale-structures/
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NASA — Dark Matter: https://science.nasa.gov/dark-matter/
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Sloan Digital Sky Survey — Science: https://www.sdss.org/science/
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ESA — Euclid: https://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/Euclid
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国立天文台 すばる望遠鏡: https://subarutelescope.org/jp/
(最終更新日: 2026-08-11)